地中海に消えた19歳の夢
昨日、ある胸が痛くなるニュースを見た。
自分たちの身近に感じるが故に、いくつかの実態に胸を打たれることがある。
たとえ、涙ぐましくも、それは単独の出来事ではなく、沢山ある出来事の一つの話。
新聞のページを何ページも埋める移民の物語。その何百、何千もの移民犠牲者の中の一人の犠牲者の話。
ファティム・ジャワラ、ガンビア女子サッカー代表のキーパーが地中海を渡る途中で、溺死した。
彼女はヨーロッパに行き、人生を変えることを夢見ていた。苦しみや貧困を背に自分の夢を追うために。
その夢とは、サッカーをすること。
ファティムは9月にガンビアを出て、リビアに辿り着くために何日も何日も歩きサハラを渡った。そしてリビアで沢山の希望が一つの船に乗った。
残念なことに、イタリアのシチリアに辿り着くところで、地中海の中に船が転覆した。こうして19歳のファティムの夢は終わった。
生きたかった、サッカーをしたかった。
ファティムは、2016年にヨーロッパに渡ろうとし溺死した3300人以上の難民の犠牲者の一人。
残念ながら僕らはこの数字に慣れてしまう危機にさらされている。毎日のようにこのようなニュースを耳にし、まるで当たり前のように、避けられない事のように。
そしてそこには一人の女の子がいた、ファティム。一人のサッカー選手、僕らの同志。
この全てに意味がないと、これまで以上に再認識する。
週末のサッカーの試合は行われ、これからも行われるだろう。
今日という日は特に、サッカーを夢見て亡くなった19歳のガンビア女子サッカー代表のキーパー、ファティムに思いを募らせて・・。
アレッサンドロ